アルバイトを採用した後、必ずやるべきことは研修の実施です。研修を行えば早くスキルを習得できるだけでなく、早期に離職されるリスクも減ります。
とはいえ、アルバイトの研修で何を教えればよいのかわからないか悩んでいる人もいるでしょう。
本記事では、アルバイトの研修内容や目的、よくある課題や解決策を紹介します。アルバイトの研修が上手くいっていなくて悩んでいる人は、ぜひ、参考にしてみてください。
アルバイトに研修する目的
アルバイトを採用した後に重要なことは研修の実施です。研修をする目的は、一人前の戦力として育成することと離職を防ぐことの2つがあります。
働く職場によって、業務内容だけでなく客層やルールが異なります。最終的には誰かの助けがなくても働けるようになってもらわなければ、営業が回らなくなるでしょう。
また、誰しも初めての職場ではきちんと働けるのか、他のスタッフとなじめるのか不安になるものです。これらのことは、こちらから研修を開催して、学んでもらう必要があります。
忙しいと、ほとんど研修を実施しない会社もありますが、あまりおすすめしません。
アルバイトの研修内容
アルバイトを採用したことがない、これまで研修を実施したことがない場合、どのような研修をすべきか詳しくわからない人も多いのではないでしょうか？
そこで、ここからは、具体的にどのような研修を実施すれば良いのか紹介します。
職場のルールや社会人としてのマナーを身につける
アルバイトの研修では、会社の制度・給料や労働時間などの条件面はもちろん、職場のルールや社会人としてのマナーについて教えます。
例え業務経験があるアルバイトを採用した場合でも、会社によってルールが異なることが多いため、必ず説明しましょう。
職場のルールとは例えば以下のようなものです。
- シフトの提出期限や提出方法
- 朝礼の有無や挨拶の方法
- 清掃に関するルール
きちんと指導していなかった場合、既に働いているスタッフとのコミュニケーションが取りにくくなります。
また、言葉遣いや身だしなみについては当たり前のことですが、なぜ重要なのか背景を伝えながら丁寧に教えましょう。
業務に必要な知識やスキルの取得
研修では、業務に必要な知識やスキルについて指導します。業務別に解説すると、研修では以下のような業務の練習を行います。
| 職種 | 主な研修内容 |
| 飲食店 | ●挨拶および顧客対応 ●料理の配膳（ホール）もしくは調理方法（キッチン） ●レジの打ち方 |
| コールセンター | ●電話やパソコンの操作方法 ●言葉遣いや話し方の基礎的な学習 |
| スーパー | ●パック詰めおよび品出し ●レジの打ち方 |
研修実施時は資料を作成の上、口頭で説明することが多いです。文字だけでは理解しにくい箇所は、写真や図解、動画なども使って説明しましょう。
研修内容によって必要な時間が異なりますが、研修期間内に指導できる内容のみにしておきましょう。
実践的な練習
研修が長時間に及ぶ場合、座学だけでの講義では、アルバイトのモチベーションが上がらないので注意が必要です。加えて、こちらから一方的に伝えるだけになるため、本当に理解しているのか判断が難しいかもしれません。
特にアルバイト未経験者や業界未経験者は、働くイメージを持てていない人もいるため、実践的な練習がなければ不安を感じやすくなります。
よって、以下のようなことも意識して行いましょう。
- こちらからも積極的に問いかけをする
- 確認のためのテストを実施する
- ロールプレイングや実践的な練習を行う
最も重要な点はロールプレイングなど実践的な練習です。頭で覚えるだけでなく手足を動かすことで、より記憶に定着しやすく理解度も上がります。
スーパーであればレジ打ちを研修室で行う、コールセンターなら部内でアルバイト同士で商品提案や顧客対応を行うといったような練習が必要です。
可能であれば、すでに働いている人や社員の人が相手になってアドバイスを行っても良いでしょう。
アルバイトの研修期間や給与
アルバイトの研修期間は業務内容の専門性や職場環境によって異なります。概ね3ヵ月程度設けているケースが多いですが、短いと1週間以内、会社によって6ヵ月取っている会社もあります。
シフトに入れる頻度によって研修に入れる時間も変わるため、期間ではなく勤務時間で計測している企業も珍しくありません。
試用期間を導入している会社の場合、法律では明記されていないものの期間や労働条件を明確に定めておかなければなりません。
試用期間や研修期間については時給を下げても問題ないですが、最低賃金を下回らないように注意が必要です。
なお、試用期間や研修期間を長く設定しすぎると、賃金が低い状況が続くため、働くアルバイトのモチベーションが低下したりいつまでも独り立ちしてくれなかったりするリスクがあります。
>>【2023年】最低賃金の引き上げ！企業に与える影響とは？必要な対処法を紹介！
研修期間中に解雇できるのは合理的な理由が必要
アルバイトを採用したけれど、以下のような事例では、研修期間中に解雇ができます。
- 無断欠勤や遅刻が多い
- 能力不足が顕著である
- 協調性が著しく欠如している
- 健康面に問題がある
- 経歴詐称が発覚した
ただし、労働契約法第16条にある通り、研修期間中に解雇できるのは合理的な理由と「社会通念上相当」であると認められる必要があります。
第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
出典：e-Gov
したがって、無闇にアルバイトを解雇することはできません。
また、労働基準法においては、14日以上の雇用期間がある従業員に対して解雇予告を行う場合は、30日前に行う必要があります。解雇予告を行わずに解雇した場合は、解雇予告手当を支払う義務が生じるので注意しましょう。
アルバイトの研修における課題と解決策
たいていの会社では、アルバイトの研修を行っていますが、研修終了後に順調に業務をこなしてくれずに悩んでいる人もいるのではないでしょうか？
ここからは、アルバイトの研修における課題と解決策について紹介します。
研修で離職するスタッフがいる
せっかくアルバイトを採用したのに研修期間中に離職するケースもあります。研修期間中に離職してしまう場合、以下のような原因が考えられるでしょう。
- 男女比率に偏りがあったり相性の悪い人がいた
- 業務内容が当初聞いていた内容と異なっていた
- 業務内容を聞いて自分にはできないと思った
研修期間中の離職率を下げるためには、研修を通じて既存の社員や他のアルバイトとの交流を促進するのがおすすめです。一緒に働くスタッフと仲良くなれば、安心して働きやすくなるため、職場にも早く慣れます。
また、離職率があまりにも高い場合は、採用段階での見極めができていない可能性があります。
もう一度採用ターゲットや選考基準に問題がないのか見直した方が良いでしょう。
研修に時間を割けるスタッフがいない
人手不足で悩んでいる場合や採用した時期が繁忙期の場合、研修に時間を割けるスタッフがいないことがあります。
加えて、アルバイトによって働く時間はバラバラなため、全員に一律同じ研修を実施する時間がない会社も多いのではないでしょうか。
人手不足だからという理由でアルバイトの研修に時間をかけずに現場に出すと、以下のような問題が発生します。
- 現場で働くスタッフとのやり取りが増えてしまう
- アルバイトが自信を失いやすくなる
- お客さまに迷惑をかけてしまうリスクが高くなる
どうしても研修に時間を割けるスタッフがいない場合は、基礎的な研修は最低限行いつつ、スマホやパソコンで自習ができる環境を構築しましょう。
採用管理システムやシフト管理システムに学習機能がついているケースもあります。
研修をしたのに一人前に育ってくれない
研修をしたのに一人前に育ってくれない場合、研修内容が不足しているか、研修方法が効果的でない可能性があります。
伝えた内容を理解しているのかこちらから確認したり重要な点は繰り返し指導したりしましょう。
また、研修終了後もわからない点が出てくることを想定して、いつでも疑問や質問がしやすい職場作りも必要です。
最初から、難しいことを求めるのではなく簡単なことから教えて自信をつけさせる方法を採用すれば、自信をなくして離職するリスクを減らせるでしょう。
アルバイトの研修を成功させるためのポイント
アルバイトの研修を計画性なしに行っても求めている効果を得られるわけではありません。研修を成功させるために抑えておくべきポイントを紹介します。
アルバイトの育成計画を立てる
アルバイトが無事に一人前に育つためには、採用の段階で以下のようなアルバイトの育成計画を立てておく必要があります。
- 任せる業務の範囲
- 研修の内容
- 研修の日程および担当者
- 育成担当と相談できる人
- マニュアルの作成
- 会社のルール
特に、いつまでにどのくらいのレベルまで育成したいのかは明確にしておき、アルバイトにも目標として伝えておきましょう。
重要な点は理由や背景も説明する
アルバイトがスキルを習得する上で重要なのは、納得感を持って働くことです。というのも、納得感を持っていない場合、決められた通りに業務をしてくれない可能性があるからです。
ルールや業務の手順について説明する際は、なぜこの業務が必要なのか、どのような目的があるのかも伝えるようにしましょう。
そうすることで、目的を持って働いてもらいやすくなるので、スキルの習得も速くなりやすいです。
研修後もフォローをする
研修が終わった後もフォローを入れたり指導したりしましょう。研修で教えたことが全てできるとは限りません。教えたことができていなくても頭ごなしに叱るのではなく、丁寧に教えるようにしてください。
特に最初は不安を持っているアルバイトが多いため、何かあったときにいつでも相談できる環境作りが必要です。
採用管理システムで研修に割ける時間を確保する
採用したアルバイトの研修時間を確保できない場合は、採用管理システムの導入で採用業務の負担を軽減してみてはいかがでしょうか。ビズプラ採用管理システムなら、採用業務のお困りごとをまるっと解決できる機能が揃っています。
例えば、100以上の求人媒体からの応募者情報の取り込みが高速でできて、ビズプラで一元管理が可能です。
さらに応募があった際にSMSを利用してスピーディーに応募者に連絡がとれるので、取りこぼしを防ぎやすくなります。採用チャットボットも導入すればスクリーニングによる面接予約ができるため、応募者選定の時間を削減できるでしょう。
採用業務を効率的にできて負担を抑えられれば、アルバイトの研修に割く時間を確保できるので、より採用後の定着率アップにも効果があります。
採用に関する悩みがある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
無料デモも行っています。
