Z世代とは、1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代を指すため、大学生やフリーターとして働いている若年層が該当します。
これまで働いてきた世代の価値観との違いに戸惑いがあり、Z世代のアルバイトの集客に苦労している方もいるかもしれません。
本記事では、Z世代の特徴や雇用時の注意点、行うべき施策について解説します。これからZ世代の採用を始めたい方も、ぜひ参考にしてください。
Z世代の特徴
Z世代のアルバイトを採用する場合、まずは彼らがどのような特徴や考え方を持っているかを知ることが重要です。
タイムパフォーマンスを重視する
Z世代は、タイムパフォーマンス（タイパ）を重視する傾向があります。つまり、短時間で成果を得たいと考えており、仕事だけでなく日常生活においても時間を有効活用しようとする傾向があるのです。
その理由は、生まれた頃から既にインターネットやデジタルツールが存在していたため、これらのツールを使用して情報を効率的に選ぶ能力が形成されたからです。
また、その傾向は日常生活にも現れています。
- 動画を倍速で視聴する
- ショート動画を好む
- コンテンツを視聴しながら他の作業を行う「ながら見」が一般的
- 冷凍食品や宅配サービスの利用など食事に時間をかけない
Z世代は、仕事を選ぶ際も時間を無駄にしたくないという考えが一般的なことは理解しておきましょう。
冒険やリスクを避ける傾向がある
その理由は、Z世代が生まれた時点で、既にバブルは崩壊しており、経済成長の低い時代が長らく続いていたからです。そのような背景があるため、リスクを伴う冒険よりも堅実かつ安定を求める傾向があります。
レストランやカフェなどに行くなど何かを判断する際もインターネットやSNSなどで情報収集をした上で慎重に判断を下すことも珍しくありません。
年配の方のなかには「若いときは積極的に行こう」「もっと冒険心を持ったほうが良い」と考える人もいますが、Z世代はそのように考える人が少ないため注意が必要です。
上下関係の厳しい職場が合わないと考えている人がいる
Z世代には、上下関係の厳しい職場が合わないと考えている人もいます。その理由は、彼らが厳しい上下関係よりも、誰もが意見を言いやすいフラットな組織を求めているためです。
また、職場では、透明性を重視して、職場の人とコミュニケーションを取る際に、SNSや絵文字を使用することもあります。
加えて、小中学生の頃からインターネットやSNSでコミュニケーションを取っている人が多いため、職場でも自分の意見が受け入れられたり尊重されたりすることを期待する傾向があります。
SNSを活用する
Z世代は、幼少期からデジタルツールが普及していたことから、ほかの年齢層よりもSNSを多く利用する傾向がある点に注意しましょう。
アルバイトを探す際もSNSを活用して、職場環境や働く人に関するリアルな情報を得ようとします。
加えて、アルバイト先でも同僚とSNSでコミュニケーションを取ったり情報収集をしたりすることも珍しくありません。
テレビや新聞だけではなくインターネット検索よりもSNSで情報収集をする人が多いことを理解しておきましょう。
個性を大事にする
Z世代は、個性を大事にする傾向があります。なぜなら、インターネットやSNSから世界中の情報にアクセスできる環境で育ったため、LGBTQや性自認といった価値観や文化に手軽に触れやすかったからです。
したがって、Z世代のなかには、制服や規則などについて個性を尊重して欲しいと考える人もいます。
また、アルバイト先を探す際にシフトの自由度や融通が効くかを重視する人もいます。
Z世代を採用する際に注意すべきポイント
Z世代を採用する際には、いくつか注意すべきポイントがあります。これから紹介するポイントを知らなかった場合、退職につながるケースもあるので、事前に確認しておきましょう。
プライベートに干渉しすぎない
アルバイトとして採用したZ世代の人に接するときは、プライベートに干渉しすぎないようにしましょう。
なぜなら、家族や友人との時間、自分の趣味などについて、職場で干渉されたくないと考える人もいるからです。
さらに、仕事とプライベートをなるべく分けたいと考えている人も多くいます。
したがって、出会ってすぐの段階で踏み込んだ質問をするのはおすすめできません。
考えを押しつけすぎない
雇用したZ世代と会話する際は、自分たちの考えを押しつけすぎないように注意しましょう。
Z世代は個性や多様性を重視する傾向があるため、上の世代の人が価値観や考え方を押しつけると、不満につながることがあります。
また、職場でも自分の意見を伝えたいと考えている人もいるので、上の立場から考えを押しつけるような伝え方にも注意が必要です。
コミュニケーションの過不足に注意する
Z世代を雇用する際は、コミュニケーションの過不足に注意しましょう。Z世代は、必ずしも上の世代とコミュニケーションを取りたくないわけではありません。
積極的すぎない範囲であれば、コミュニケーションを取りたいと考える人もいます。
したがって「Z世代と意見が合わない」「なんとなく関わりにくい」といった理由で、コミュニケーションをほとんど取らないのも問題といえるでしょう。
Z世代の人と働く上で重要なポイントは、注意やアドバイスをする際に理由や背景も教えることです。
理由や背景も伝えることで、業務の目的を理解しつつ納得して取り組んでくれるでしょう。
また「相談や悩み事などを効いて欲しい」「叱るだけでなくほどよく褒めてほしい」と考える傾向があるため、コミュニケーションを取る場を設けるなど対策も必要です。
アルバイトでも評価基準はあいまいにしない
Z世代を雇用する際は、アルバイトであっても評価基準をあいまいにしないことが重要です。
評価基準を明確化することで、具体的な目標や期待される成果がわかるため、目標達成に向けたモチベーションを維持しやすくなります。
雇用側も評価基準に基づいて評価した上でフィードバックができるので、良かった点を伝えたり、改善点を伝えて以降の業務に活かしてもらったりできるでしょう。
加えて、全てのアルバイトが公平に評価されることで、信頼関係も構築されやすくなります。
Z世代のアルバイトを採用する際に行うべき施策
ここからは、Z世代の特徴や採用時の注意点を踏まえつつ、行うべき施策について紹介します。
SNSの発信
Z世代のアルバイトを積極的に採用したいのであれば、SNSの発信も行いましょう。そうすることで、SNSを使うことが多いZ世代が、求人を探しやすくなります。
求人情報だけでなく、仕事の紹介動画や働く社員・アルバイトのインタビュー動画などを発信すれば、働くイメージがしやすくなるので、応募者数の増加につながるでしょう。
Web面接の導入
採用時にWeb面接の導入を検討しても良いでしょう。その理由は主に２つあります。
- デジタルツールに親しみやすさがある
- 会場までの交通費の負担や移動時間の削減につながる
Z世代は、ITツールへの苦手意識を持っている人が少ないため、受け入れてもらいやすいでしょう。
また、移動時間の削減につながることから、タイムパフォーマンスを重視するZ世代の人が手軽に応募しやすくなります。
会場までの交通費の負担もなくなるので、自社で導入可能であれば、検討しても良いでしょう。
求人広告にZ世代が知りたい情報を記載する
求人広告には、Z世代が知りたい情報を記載しましょう。
Z世代は透明性を重視するため、昇給制度の有無や職場の雰囲気など、安心して働けそうな情報を盛り込むことも重要です。
できるだけ情報を公開することで、信頼できそうな会社であると印象づけられます。
また、会社に貢献したいというアルバイトもいるため、自社のビジョンや社内文化について発信しても良いでしょう。
もちろん、勤務地や時給、どのくらいの期間や頻度で働ける人を求めているといった基本的な情報も記載する必要があります。
コミュニケーションを取る機会を設定する
Z世代は、ほどよいコミュニケーションを取りたいと考えているため、そのような機会を会社側から設けるようにしましょう。
職場にいなくても利用しやすいツールを導入すれば、出勤頻度の少ない人でも同僚とのコミュニケーションを取りやすくなります。
加えて、業務のマニュアルや業務連絡をコミュニケーションツールから確認できるようにすることで、伝達がしやすくなります。
また、定期的にMTGを開いて勉強会を開いたり1VS1の面談を行って不満や疑問を相談できる機会を作ったりしても良いでしょう。
教育制度や研修制度の充実
採用したアルバイトに不安なく働いてもらうためには、教育制度や研修制度の充実も必要です。
どんな人でも理解しやすいようなマニュアルの作成、新しく入ってきたアルバイトを教育する人の選定、ある程度時間を取って研修を行うことで、不安を解消できるようにしましょう。
教育制度や研修制度がしっかりしていることが伝われば、応募者の増加を期待できる可能性があります。
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