アルバイトを雇用したけど研修期間の給料を安くしても問題ないか、法律違反をしないように適切な研修期間の給料の決め方を知っておきたいと考えていませんか? 特に初めてアルバイトを採用する場合、研修期間の給料についてよく分からない人もいるのではないでしょうか?
本記事では、研修期間中にアルバイトに支払う給料のルール、アルバイト採用後に研修期間を設ける際の注意点について詳しく解説します。
アルバイトの研修期間の給料をこれから決める場合は、ぜひ参考にしてください。
研修期間中のアルバイトに支払う給料のルール
アルバイトを雇用すると研修期間を設ける企業が多いですが、研修期間中のアルバイトに支払う給料にもいくつかルールがあります。どのようなルールや罰則があるかについて詳しく見ていきましょう。
研修期間中でもアルバイトには給料を支払う必要がある
前提として研修期間中でもアルバイトには働いた分の給料を必ず支払う必要があります。
なぜなら、法律上、研修期間中も正式な雇用関係が成立しているため、働いた分の給料を受け取る権利があるからです。
厚生労働省の資料によると、労働時間について、以下のような記載があります。
使用者の明示または黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は、労働時間に該当します。
研修・教育訓練について、業務上義務づけられていない自由参加のものであれば、その研修・教育訓練の時間は、労働時間に該当しません
出典:厚生労働省の資料から一部抜粋
また、研修・教育訓練で労働時間に該当する事例としては、以下のようなものがあります。
使用者が指定する社外研修について、休日に参加するよう指示され、後日レポートの提出も課されるなど、実質的な業務指示で参加する研修。
自らが担当する業務について、あらかじめ先輩社員がその業務に従事しているところを見学しなければ実際の業務に就くことができないとされている場合の業務見学。
出典:厚生労働省の資料から一部抜粋
なお、アルバイトに賃金を支払わなかった場合、30万円以下の罰金が科されます。
第百二十条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
出典:e-Gov
ただし、研修期間中のみ給料を低く設定することは問題ありません。よって、研修期間は時給1,200円、研修期間終了後は時給1,300円といった決め方が可能です。
時間外労働割増賃金(残業代)や深夜労働割増賃金の支払いも必要
研修期間中のアルバイトであっても、時間外労働割増賃金(残業代)や深夜労働割増賃金の支払いは行わなければなりません。
その理由は、法律上、研修期間中でもこれらの支払いは免除されないからです。
残業代を支払わなかった場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。また、労働者には残業代を請求する権利があるので、後から残業代を請求される可能性があります。
研修期間中の給料は最低賃金を下回ってはならない
研修期間は一人前ではないのでほかのアルバイトと同じ給料を支払いたくないと考える人もいるかもしれません。
しかし、研修期間中のアルバイトであっても、最低賃金を下回る給料しか支払わないことは法律で禁止されています。
なお、最低賃金は各都道府県によって異なるのに加えて、毎年改正されることがあります。
例えば、令和6年10月1日時点で東京都の最低賃金は1,163円なので、東京都の企業でアルバイトを雇用する場合、研修期間中でも1,163円以上の時給を支払わなければなりません。
※但し、特例として最低賃金の減額の特例が適用される場合があります。
新人が研修期間中に辞めた場合の給料
アルバイトを雇ったら、研修期間がまだ終わっていないのに突然辞められたことがある会社もあるかもしれません。
アルバイトがバックレのようなひどい辞め方をした場合であっても、働いた分の給料は必ず支払う必要があります。
なぜなら、研修期間であっても法的には正式な雇用関係が成立しているとみなされるので、労働基準法の適用対象となるからです。
研修期間と試用期間との違い
研修期間と似た言葉に試用期間があります。ここからは両者の違いについて見ていきましょう。
なお、どちらを導入する場合でも、内容や期間は企業が独自に決めて問題ありませんが、就業規則等に定めておく必要があります。
研修期間とは本採用後にスキルを身につけさせるための期間
研修期間とは本採用後にスキルを身につけさせるための期間です。
この期間中は、業務に必要なスキルや知識を習得だけでなく、ビジネスマナーや企業文化の理解を深めるための研修が行われることが多いです。
研修期間は数週間から3カ月未満が一般的ですが、業務の理解度に応じて長くしても問題ありません。
試用期間とは本採用前に労働者の適性を見る期間
試用期間とは新たに採用した人材の勤務態度や能力を評価し、本採用するかどうかを判断するための期間です。
試用期間中は通常業務を通じて適性を見極めるために設けられています。一般的な試用期間は1~6か月ほどです。
試用期間中も労働契約は有効なためで、正当な理由なしに解雇することはできません。
アルバイト採用後に研修期間を設ける際の注意点
アルバイトを採用したら、多くの企業では研修期間を設けていますが、いくつか注意点があります。
法律に違反する行為をしたりアルバイトを上手く育成できなかったりすることがないように、必ず理解しておきましょう。
研修期間は3か月から長くても6か月
研修期間の長さについて法的な決まりはありません。
しかし、一般的には3か月程度、短ければ2週間、長くても6か月が普通です。
アルバイトによって研修期間の長さが変わる理由は、個々の能力の違いはもちろん、シフトに入れる頻度や1回の出勤ごとの労働時間が異なるからです。
よって、週5回8時間シフトに入れるアルバイトと週2回3時間ずつしかシフトに入れないアルバイトでは、研修期間は大きく変わります。
ただし、スキルがまだ身についていないという理由があっても、研修期間を異常に長くするのはおすすめできません。
なぜなら、研修期間が長くなると、アルバイトのモチベーション低下を招く恐れがあるからです。最悪のケースでは離職につながるかもしれません。
試用期間がある場合は求人広告にも記載する
研修期間や試用期間がある場合は、あらかじめ求人広告に記載しておく必要があります。
その理由は、2018年に施行された「改正職業安定法」により、求人時には試用期間の有無とその期間を明示することが義務付けられたためです。
求人票や募集要項に記載するのはもちろん、採用後にいった言わないの問題になることを避けるために面接時にも詳細について説明しておくことをおすすめします。
研修の目的や内容を計画する
雇用したアルバイトに研修期間を設ける場合は、研修の目的や内容の計画を行いましょう。
研修を行う目的は概ね以下の2つがあります。
目的 | 効果 |
業務に必要な知識やスキルの習得 | 研修期間終了後に一戦力となってくれる |
職場の文化や価値観を理解させる | 長く働いてくれるようになる |
また、研修では以下のようなことを指導します。
- 職場のルールとマナーの教育
- 業務に必要なスキルの習得
- 実践的な練習
職場のルールとマナーの教育は、アルバイトが職場でスムーズに働けるよう、シフトの提出方法や挨拶の仕方などを指導します。
業務に必要なスキルの習得とは、例えばスーパーの場合、レジ操作や接客方法、品出しの方法などがあるでしょう。
加えて、座学だけでなく、ロールプレイングや実践的な練習を取り入れましょう。実践的な練習を取り入れることで、業務の理解度が上がり必要なスキルを早く習得しやすくなります。
アルバイトを研修期間で一人前に育てるために、いつまでに何を覚えてもらうかあらかじめ計画を立てておきましょう。
研修後もフォローしてサポートする
研修期間が終わったからといって放置すると離職につながる恐れがあります。
研修後もフォローアップにより、アルバイトの定着率を高めながら業務のスキルを向上させましょう。
また、フォロー体制が整っていれば、研修期間中には想定していなかった疑問や問題が起きたときもすぐに対処できるので、安心して働けます。
定期的に1対1で話す機会やMTGを行う機会を設けるようにしましょう。
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