アルバイト採用を効率的に行なうためには、適切な採用基準を設定することが重要です。
採用基準があいまいだったり担当者任せだったりする場合、採用後にミスマッチが発覚し、早い段階で辞めてしまうといった事態になりかねません。また、人口減少によってアルバイトの応募が集まりにくくなっているなか、ただ採用基準を厳しくするだけでは目標人数の確保が難しくなります。そのため、採用アプローチもあわせて見直し、採用効率を高める工夫が必要です。
本記事では、アルバイトの採用基準を決める際のポイントと注意点を解説します。自社にマッチした人材の確保がうまくいかないとお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
アルバイトの採用基準が重要な理由とは
アルバイトの採用基準が不明確なままでは、採用しても職場に定着しなかったり、業務のミスマッチによって早期退職につながる可能性が高くなります。その結果、採用にかけたコストや時間は無駄になってしまうでしょう。
つまり、アルバイトの採用基準を適切に設定できていない場合、「採用後定着率の悪化」「早期退職の増加」「採用コストの増加」という3つのリスクを抱えることになるのです。
ここでは、アルバイトの採用基準を明確にするメリットを5つ紹介します。
担当者によるバラつきがなくなる
書類選考や面接における採用の判断は、担当者の主観に頼ってしまいがちです。「〇〇なタイプは以前すぐ辞めてしまったから採用を控えよう」「△△なタイプは職場に馴染めないだろう」など、個人的な体験や考えにもとづいて採用を判断してしまい、場合によっては職場に必要な人材を逃すことにもつながります。
採用基準が明確になることで、担当者によるバラつきがなくなり、採用する人材の質が保たれます。
選考が効率化される
採用基準が明確になれば、合格・不合格の判断が容易になり、担当者間の確認・相談などが少なく済むでしょう。逆に基準が明確でなければ、判断に迷った際には上司や関係者に相談し、合意をとったうえで決断を下す必要が生じるため手間がかかります。
採用基準が明確であれば担当者個人で判断できる場面が増え、採用活動が効率化されます。
ミスマッチが起きにくくなる
採用基準をクリアした人材だけを採用することで、採用後に勤務条件やスキル、人柄などの点でミスマッチが起きにくくなります。職場が求める人物像に当てはまっていれば、採用したアルバイトスタッフが期待どおりの活躍をする可能性が高まります。
定着率が上がる
職場に合う人材だけが採用されることで、採用後の定着率が上がり、現場のオペレーションが安定します。
職場にうまく馴染めなかったり、求められた業務をこなせなかったりすれば、働くモチベーションが下がり、早い段階で辞めてしまう可能性が高くなるでしょう。採用後に人材が定着しなければ、新人スタッフの割合が高まり、オペレーションが安定しません。
ベテランスタッフが増えることで、現場にノウハウが蓄積され、日々の店舗運営が安定します。
採用コストを抑えることができる
早期離職者が多い職場では、常に募集広告を出稿し続ける必要があり、採用コストが膨らみがちです。
採用基準を明確にした結果として早期離職などが減れば、再募集の必要がなくなり、採用コストが抑えられます。また、採用後の教育にかかる時間やコストも削減できるため、経営効率がよくなります。
アルバイトの採用基準を決める際のポイント
アルバイトの採用基準を決める際には、ただ条件を羅列するだけではわかりにくくなります。まず求める人物像を具体的に言語化したうえで、書類選考・面接それぞれの選考基準を定めましょう。
求める人物像を明確にする
最初に自社の職場が求める人物像について、スキル・経験・人柄という3つの項目に分けて基準を言語化しましょう。
- スキル:保有資格や対応可能な業務
- 経験 :過去のアルバイト経験や人生経験
- 人柄 :職場に打ち解け、活躍できる人物の特徴
また、「絶対に満たしておかなければならない」という必須条件と、「当てはまれば理想的」という優遇条件を整理しておくことも大切です。
例えば、イタリアンレストランの調理スタッフを募集する場合であれば以下のような条件が挙げられます。
- スキル:基本的な調理の知識・技術(家庭料理程度でOK)
- 経験 :日常的な調理経験(必須条件)、調理スタッフとしての勤務経験(優遇条件)
- 人柄 :先輩スタッフからの指導を素直に聞ける人物
採用後に研修を用意しているものの、まったく調理経験がない人材では対応が難しいと考えられる場合は「日常的な調理経験」を必須とします。さらに、過去に調理スタッフとして勤務経験がある場合は即戦力として期待できるため、優先的に採用するものとします。
また、求める人柄を明確に言語化しておくことも大切です。マイナビが2020年に実施した「人材ニーズ調査」では、パート・アルバイトの「採用基準として重要だと考えているポイント(複数回答)」として、人柄・性格が53.9%でもっとも多くの回答を集めました。
スキルや経験はある程度重要ではあるものの、アルバイト採用においては「職場に馴染めるか」「先輩たちから素直に吸収できるか」といった点が重視されているといえるでしょう。
書類選考の選考基準を定める
書類選考の段階で、求める人物像に当てはまらない応募者を不合格と判断できれば、面接などにかかる工数を削減でき、採用効率を高められます。
履歴書からわかる情報は限られていますが、まずは以下のようなポイントをチェックしましょう。
- 履歴書が丁寧に作成されているか
- 求める勤務条件をクリアしているか
- 志望動機が使い回しでないか
履歴書が雑に作成されていたり、どの職場にも当てはまるような内容で書かれていたりすれば、自社で働くモチベーションはあまり高くないことが伺えます。
また、必須条件を定めている場合はクリアできているかチェックします。募集広告などを掲載する際に、「基本的な調理技術必須(履歴書に過去の調理経験を記載のこと)」などと明記しておくことで、判断しやすくなるでしょう。上記のような指定事項があるにもかかわらず記入されていない場合は、「必要な情報に目を通さない人物」とみなし、採用の優先順位を下げるといった判断も可能です。
面接の選考基準を定める
面接は、履歴書から読み取れない部分を判断する重要な選考過程です。具体的には、以下のようなポイントをチェックしましょう。
- 態度や言葉づかい、身だしなみはきちんとしているか
- 人柄や表情はどうか
- 意欲・モチベーションが高いか
必須条件や優遇条件についても、認識のすり合わせをしておくとよいでしょう。
また、勤務条件についても細かく確認しておくのがおすすめです。「週4日・5時間以上勤務」を必須条件としていたにもかかわらず、実際に勤務を開始すると「大学生活が忙しく、思ったほどシフトを入れられない」などといったケースは珍しくありません。
採用後のミスマッチを防ぐためにも、求める人物像や勤務条件をクリアしているか細かく質問し、認識をすり合わせておきましょう。
アルバイトの採用基準における注意点|就職差別をしないために
採用基準はアルバイト採用の精度を上げるうえで非常に重要ですが、注意したいのが「就職差別」です。採用選考においては、応募者の基本的人権を尊重することや、適正・能力のみを基準として選考することが求められています。
例えば、本籍や出生地、家族、住宅状況といった「本人に責任のない事項」、宗教や人生観、思想といった「本来自由であるべき事項」について、履歴書に記載を求めたり、面接で質問したりすれば、就職差別につながるおそれがあります。
厚生労働省が発行している「公正な採用選考をめざして」では、就職差別につながるおそれのある事項として、以下の項目が挙げられています。
本人に責任のない事項の把握 | ・本籍・出生地 ・家族 ・住宅状況 ・生活環境・家庭環境など |
本来自由であるべき事項 (思想・信条にかかわること)の把握 | ・宗教 ・支持政党 ・人生観・生活信条など ・尊敬する人物 ・思想 ・労働組合、学生運動などの社会運動 ・購読新聞、雑誌、愛読書など |
採用選考の方法 | ・身元調査など ・全国高等学校統一応募用紙・JIS規格の履歴書(様式例)に 基づかない事項を含んだ応募書類の使用 ・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の 健康診断 |
意図的ではなくても、就職差別にあたる行為をしてしまっては大きな問題になります。採用選考のアプローチに問題がないか、定期的に見直しましょう。
採用基準に合ったアルバイトの募集には「採用アプローチ」の見直しが不可欠
採用基準を明確にすることで、自社に合ったアルバイトスタッフを採用しやすくなります。しかし一方で、人手不足によりそもそもの人材確保が難しくなっているのが日本社会の現状です。ただ採用基準を厳しくするだけでは、必要な人数を確保できないこともありえます。
そのため、採用基準とあわせて採用アプローチも見直し、基準に合う応募者を着実に取り込むための工夫が必要になります。
例えば、適切な広告媒体を選定したり、広告の費用対効果を高めたり、応募者に迅速にコンタクトしたりといった対策です。採用基準に合う人材が多く集まる求人媒体はどこか、採用ターゲットに刺さる求人広告の見せ方ができているか、応募があった際にスピーディーな対応ができているかといった点を見直すことで採用効率が向上するでしょう。
アルバイトの応募者は、同時に複数の求人案件をチェックしていることがほとんどです。応募後の対応が遅れれば、そのぶん他社の選考が進んでしまい、辞退される可能性が高まります。
採用アプローチの見直しは難しく感じるかもしれませんが、採用管理システムをうまく活用すれば改善が可能です。媒体ごとの広告効果を測定する機能や、応募があった際に数分単位で自動でデータを取り込む機能を活用すれば、広告出稿の精度を高め、応募者に対してすばやくアプローチすることが可能となります。
まとめ
本記事では、アルバイトの採用基準を決める際のポイントと注意点を解説しました。採用基準を明確に定めることで、職場にマッチする人材の採用や、採用後定着率の改善、さらに採用コストの抑制といった効果が期待できます。
しかし、人手不足が深刻化している現状では、ただ採用基準を厳格にするだけでなく採用アプローチの見直しも重要です。人材採用業務のお困りごとをまるっとお任せできる統合型採用管理システム「ビズプラ採用管理」なら、広告効果測定や高速データ取り込み、SMSによる応募者へのスピーディーな対応が可能なため、貴重な人材を逃しにくくなります。
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