顧客の数が増える年末年始は人手不足に陥りやすい時期でもあります。バイトを募集したくても、思うように採用できなくて悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、年末年始に人手不足になる原因や対処法、求人を募集するポイントについて詳しく解説します。
年末年始に人手不足になる原因
年末年始になると毎年人手不足になったり、人員の確保にギリギリまで時間がかかったりして、悩む方も多いのではないでしょうか。
最初に理解しておかなければならないのは、人手不足になる原因です。想定される原因について詳しく見ていきましょう。
年末年始に休みたいと考える人が多いから
年末年始は、クリスマスや正月などのイベントが控えているため休暇を取りたい人が増える時期です。
特に学生やパートの方は、家族とゆっくり過ごしたいと考えるため、シフトが埋まらないことが増えます。
また、他の人がゆっくり休んでいるのに、自分だけバイトをすることに嫌悪感を感じる方も少なくありません。
「時給がアップするこの時期に生活費を稼ぎたい」「暇だからバイトをしてお金を得たい」と考える人を中心に求人募集をする必要がありますが、割合としてはそのような方は少ないです。
繁忙期は多くの人手が必要なため
年末年始のなかでも12月は、多くの業界が1年で最も顧客が多く売上も上がりやすい時期です。
厚生労働省の一般職業紹介状況によると、令和4年、令和3年ともに12月の有効求人倍率は、年間の平均有効求人倍率よりも高い数値となっています。
12月のみの有効求人倍率 | 年間の平均有効求人倍率 | |
令和4年 | 1.35倍 | 1.28倍 |
令和3年 | 1.16倍 | 1.13倍 |
出典:一般職業紹介状況(令和4年12月分及び令和4年分と令和3年12月分及び令和3年分)をもとに筆者作成
繁忙期は顧客数も増えるので、他の月と同じ人数で営業を続けるのは難しくなります。特に飲食や小売などのサービス業や運送業については、年末年始の人手不足に備えて求人を掲載する企業も増えるのです。
年末年始に人手不足にならないための対処法
年末年始に人手不足に陥った場合、来店する顧客への対応が満足にできなくなります。忙しいことを理由に顧客対応の質が低下すると、印象が悪くなるため、ブランドイメージのの低下や売上ダウンを招くことなるでしょう。そこで、年末年始に人手不足に悩まないための対処法を紹介します。
あらかじめ足りない人員を計算しておく
人手不足を補うためには、人材を募集する必要があります。しかし、ただ人手が足りないというだけでは、効果的に人手を募集するのは難しくなります。
今いるメンバーで、繁忙期を乗り越えられるのか、それとも明らかに人手が足りていないのかを明確にしておく必要があります。また、いつまでに人手が必要でどの時間に何人の人手が足りないのかも把握していないと、求人を出すことができません。
特に飲食店のように時間帯によって忙しさが変わる業態の場合は、細かく人員が足りない時間帯と人数を計算しておきましょう。
人員の募集期間を短期間にする
普段から求人を掲載しても思うように人出が集まらない場合や求人の掲載が遅れている場合は、年末年始のみ働くアルバイトを募集しても問題ありません。
長期間、アルバイトの求人を掲載する場合、掲載期間に応じて費用が発生する求人媒体もあります。効果があまり出なかった場合に費用だけがかかるので注意が必要です。
普段募集している求人媒体での集まりが悪ければ、他の媒体を利用してもよいでしょう。採用コストをあまりかけたくない場合は、Indeed・求人ボックスといった無料で求人を掲載できる媒体やマッハジョブ・しゅふJOBなど採用が成功した場合に多くの費用がかかる求人媒体を選ぶ方法もあります。
他方、予算に余裕がある場合は、短期間のみ働ける人を派遣会社で募集しても良いでしょう。
今働いている従業員とのコミュニケーションを強化する
必ずしも採用が上手くいっていないことのみが人手不足の原因ではありません。なぜなら、求人を掲載しても、働いている従業員の離職率が高い職場もあるからです。
年末でも積極的にシフトに入ってくれる人材を確保できている場合やバイトの定着率が高ければ、人手不足になる可能性は低くなります。
人手不足に悩んでいるのであれば、普段から積極的に働いているバイトの方とコミュニケーションを取りましょう。普段からコミュニケーションを取れていれば、年末年始に働く意欲があるのか把握できるので、人材の募集を早く準備できます。
「少し帰省を遅らせてもらえないか」「この日だけ入ってくれないか」といったように交渉もしやすくなるでしょう。
他社の採用動向も把握しておく
繁忙期となる年末年始は顧客の数が増える分、他の時期よりも働く従業員にかかる負担も重くなります。そのため、年末年始のみ他の時期よりもバイトに支払う時給を上げる企業もあります。
したがって、他社よりも時給を低く設定してしまうと、応募が思ったように集まりません。特に人出が足りていない日は、特別手当や時給のアップを検討する必要もあるでしょう。また、応募時に業種を絞らない方もいるので、同業他社はもちろん他の業態も含めて募集時給が低すぎないか確認しておく必要があります。
採用の業務効率化を行う
従業員数が少ない会社では、採用以外の業務も行わなければならない採用担当者もいるでしょう。特に年末年始は忙しい時期のため、他の業務も行いながら応募者とやり取りをしたり面接をしたりするのは簡単なことではありません。
応募者への返信対応が遅くなると、良いと思った人が競合他社に入社してしまう可能性があります。
したがって、採用業務の効率化により採用担当者の負担を軽減したり採用コストの削減を図ったりすることも重要です。
採用管理システムを使って応募者管理や求人媒体への出稿を行ったり、シフトの作成が自動でできるようになる勤怠管理システムの導入なども検討しましょう。
年末年始にバイトを募集する際のポイント
年末年始は1年で一番忙しい時期のため、バイトの確保に失敗すると売上にも影響があります。年末年始にバイトを募集する際のポイントについて押さえておきましょう。
募集時に年末年始に少しでも働いてもらうことを伝える
年末年始以外にもバイトを募集している場合は、求人要項に「年末年始に働ける人歓迎」といったように、掲載しておいても良いでしょう。応募者の総数は減りますが、年末年始に働ける人からの応募は増えるので、効率的に人員を募集できる可能性があります。
また、面接時に年末年始に最低●日入ってもらうことが可能か聞いておくと、採用前に年末年始に働ける人員をある程度想定できます。採用したのに年末年始になって誰もシフトに入ってくれないといった事態に陥りにくくなるかもしれません。
募集する時期は10月から11月で良い
年末年始間近になってから募集をした場合、繁忙期までに人員を募集できない可能性があります。年末年始まで期間が空いており、求人募集が増える10月や遅くても11月には募集を始めましょう。
早めに募集を開始することで、年末を迎えるまでに人員を確保しやすくなります。さらに、12月まで十分な期間があるので、採用したバイトの育成に時間をかけやすくなります。繁忙期を迎えても、不安なく働いてもらうことができるでしょう。
なお、業態によって募集に最適な時期が変わるので注意が必要です。例えば、年末商戦で忙しい小売業界は10月もしくは11月初旬までには募集を開始しておく必要がありますが、アパレル関係の仕事では11月だけでなく12月も求人を募集しているケースが多いです。
競合他社の動きも確認しつつ、募集する時期を判断しましょう。
マニュアルや研修体制を作っておく
年末年始に働けるバイトを募集する際、繁忙期に働いてもらうバイトを採用する以上、他の時期よりも重い負担がかかります。はじめて年末を迎えるバイトの方は、年末年始に戦力になるのか不安を感じているかもしれません。
バイトを雇う側にとっても、スムーズに営業ができずに、嫌な印象を持ったまま退職されるとブランドイメージの毀損につながる恐れがあります。
そこで、年末年始に備えてバイトを募集する場合は、採用した人が安心して働けるようにマニュアルの作成や研修体制を確立しておきましょう。
準備をきちんと行うことで採用した人がスムーズに仕事を覚えられますし、年末年始も安心して働くことができるため、1月以降も引き続き残ってくれる可能性が高くなります。
自発的に学習ができる環境を整えておけば、教育係がいなくても仕事を覚えやすいでしょう。
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