アルバイトはリファラル採用がおすすめ?メリット・デメリットや導入時の課題を解説

人手不足が続く昨今、従来の求人広告だけでは十分なアルバイトスタッフの確保が難しくなっています。そこで注目されているのが、既存スタッフからの紹介によるリファラル採用です。

リファラル採用なら、大きな採用コストをかけずに適性の高い人材を集められます。そのため、従来の求人広告に加えてリファラル採用を導入する企業が増えているのです。一方で、手続きが面倒だったり情報管理が複雑になったりといったデメリット・課題も存在します。

本記事ではアルバイトのリファラル採用について、メリット・デメリットや導入時の課題を紹介します。アルバイトスタッフの確保を効率的に進めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

アルバイトのリファラル採用とは

アルバイトの採用担当者なら、積極的に導入を検討したいのがリファラル採用です。ここではアルバイトのリファラル採用について、その概要や注目されている背景を解説します。

リファラル採用とは

アルバイトにおけるリファラル採用とは、すでに働いている既存のアルバイトスタッフから友人・知人を紹介してもらうことで人材の拡充を図る採用方法です。英語の「referral」には「紹介、推薦」といった意味があります。

広告による募集コストがかからないほか、既存スタッフを介した仕事紹介であるため採用後のミスマッチが起こりにくいといったメリットがあります。そのため、アルバイト募集にリファラル採用を用いる企業が増えているのです。

リファラル採用が注目されている背景

アルバイト募集においてリファラル採用が注目されている背景としては、2つのポイントがあります。

1つは、従来の有料広告による募集では十分なスタッフの確保が難しくなっているという現状です。少子高齢化によって労働力が減っているなか、求人広告掲載件数は逆に増えています。

公益社団法人「全国求人情報協会」の調査によると、過去5年の2月時点アルバイト・パート求人広告件数の推移は以下のとおりです。

年月アルバイト・パート
求人広告件数
2018年2月約 72万件
2019年2月約 90万件
2020年2月約 114万件
2021年2月約 56万件
2022年2月約 75万件

2021年以降はコロナ禍により落ち込んでいますが、2020年2月におけるアルバイト・パートの求人広告件数は前年、前々年を大きく上回る約114万件でした。労働人口が減少していることを踏まえれば、非常に大きな伸びだといえるでしょう。

コロナ禍により2021年2月は落ち込んでいますが、2022年2月には前年同月比134%と大きく回復しています。社会が平常化すれば、さらに求人媒体における競争が激化することは間違いありません。

もう1つのリファラル採用が増えている背景は、若い世代がアルバイト選びにおいて人間関係や働きやすさを重視しているという点です。株式会社マイナビによる「大学生アルバイト調査」では、アルバイト開始時の不安要素として「職場の人間関係が良いか」がもっとも多くの回答を集めました。

リファラル採用なら、友人・知人から職場の様子を聞いたうえで応募できるため、応募者にとっても魅力的な採用方法だといえます。

アルバイトをリファラル採用する4つのメリット

リファラル採用でアルバイトスタッフを集めることには、有料での求人広告とは異なるさまざまなメリットがあります。

人材のミスマッチが少ない

リファラル採用で入ったアルバイトスタッフの場合、勤務開始後のミスマッチが発生しにくいというメリットがあります。ミスマッチとは「想定していた業務とちがった」「人間関係が合わなかった」といったスタッフ側の不満や、「期待していた働きぶりにはほど遠い」といった採用側の不満を表します。

リファラル採用は、実際にアルバイトスタッフとして働いている友人・知人からの紹介であるため、業務内容や職場の雰囲気、人間関係などについて十分共有されていることがほとんどです。また応募者の人柄やアルバイト経験に基づいた紹介であることが多いため、採用側にとっても現場に合う人材を見つけやすい方法だといえます。

面接参加率・合格率が高い

リファラル採用で応募したスタッフは、一般的に面接参加率や合格率が高い傾向にあります。

友人や知人からの紹介である以上、直前のキャンセルでは迷惑をかけるという心理が働くのでしょう。また事前に業務内容などを十分聞いたうえで申し込んでいるため、そもそもキャンセルするケースが少ないとも考えられます。採用側にとっても事前に情報を確認したうえでの面接であるため、不採用とする確率は低くなります。

パチンコホールを運営する「マルハン」では、通常の面接参加率が67%であるなか、リファラル採用の場合は90%以上です。さらに面接から採用に至る確率についても、従来の有料広告経由では11%である一方、リファラル採用では76.5%ときわめて高い数字になっています。

有料広告との面接参加率・合格率のちがいは、リファラル採用の大きなメリットです。

採用後の定着率が高い

さらに、面接参加率や合格率だけでなく、採用後の定着率が高い点もリファラル採用の特徴です。

リファラル採用では事前に業務内容や職場の雰囲気を聞いているため、勤務開始後に不満が発生するケースは少なくなります。また勤務時間や勤務日数など働き方の面でも、実際に働いている友人・知人経由で把握しているため、「働いてみたら大学生活との両立が難しかった」といった理由で辞めるスタッフは少ない傾向にあります。

先に紹介したパチンコホール「マルハン」の例では、採用3カ月後の定着率が通常よりも20%ほど高いという結果になりました。せっかくコストをかけてもすぐに辞められては費用・労力のムダになってしまいます。リファラル採用における定着率の高さは大きな魅力でしょう。

広告掲載などのコストがかからない

最後に、リファラル採用であれば募集コストがかからない点もメリットとして挙げられます。

有料の求人媒体であれば、広告出稿に一定の費用がかかります。そのぶん幅広く募集をかけられますが、先述のとおり面接参加率や合格率、採用後の定着率に大きな課題があります。

リファラル採用によって、有料広告ほどの応募者数を集めるのは難しいかもしれません。しかし、応募者の質やマッチング度合いは圧倒的に高くなります。コストをかけずに質の高い採用ができる点は、リファラル採用の大きな特徴です。

アルバイトをリファラル採用する2つのデメリット

一方で、リファラル採用にデメリットがまったくないというわけではありません。ここでは、おもな2つのデメリットを紹介します。

採用を断りにくい

リファラル採用では、実際に面接をしたあとに断りにくいという側面があります。採用側から既存スタッフに対して紹介を促した以上、よほどの理由がなければ不採用という判断はしづらいでしょう。

もちろん、なかには「一緒に楽しく働きたい」という理由だけで業務にマッチしない人材が紹介されることもありえます。現場に合わない人材の採用を断るためには、リファラル採用の導入に先立って採用基準を明確化し、既存スタッフに周知しておくことが大切です。

応募人数の見込みが立てにくい

また、リファラル採用ではどの程度の応募があるか見込みが立てにくいという側面もあります。

リファラル採用を新規で導入する場合、既存スタッフに対して一斉に協力を呼びかけるでしょう。しかし、実際にアクションを起こすスタッフがどれくらいいるのか、予想を立てるのは簡単ではありません。想定を大きく下回る場合、別の手段を模索する必要がでてくるでしょう。

リファラル採用による応募人数の見込みを立てるには、早めに導入して少しずつ知見をためていくことが大切です。また、リファラル採用に対応したシステムを導入するなど「紹介しやすい体制」を整えるのも効果的です。

アルバイトのリファラル採用は難しい?導入の課題とは

アルバイトのリファラル採用にはさまざまなメリットがありますが、スムーズに導入するにはいくつか課題もあります。リファラル採用導入時によくある課題とその解決策を紹介します。

周知徹底が難しい

せっかくリファラル採用を導入しても、各店舗のマネージャーや採用担当者に対して周知徹底できていないというケースは少なくありません。なぜリファラル採用に力を入れるのか、具体的にどのようなステップで紹介や面接を行なうのかなど、当事者に正しく理解してもらわなければ活用につながりません。

解決策としては、各店舗への説明機会を設けたり、いくつかの店舗で成功事例を作ったりといった対応が挙げられます。アルバイトの採用に困っているマネージャーは多いため、活動の意義をしっかりと周知できればリファラル採用を活用してもらえるはずです。

紹介手続きが面倒であるため活用されない

リファラル採用において大きなハードルになるのが、書面の手配や本部への確認といった手続きが面倒である点です。本部確認に紙面を使用している場合、本部から用紙を取り寄せたりスタッフに記入してもらったりと大きな手間がかかります。よさそうな友人・知人がいたとしても「面倒くさそう」と感じたスタッフは、紹介をやめてしまうかもしれません。

本格的にリファラル採用を活用するなら、リファラル採用対応した採用システムを導入するなど手続きの簡略化・効率化を図りましょう。情報入力などをインターネット経由でできるようにすれば、より多くの紹介につながるはずです。

採用後の情報管理に手間がかかる

またリファラル採用においては「誰が誰の紹介で採用されたのか」といった情報の管理が複雑になる点も課題です。システムにデータが残っていなければ、採用したスタッフ関連でなにかトラブルが起きた場合に情報を遡れません。

管理システムに紐づけることで一元管理ができれば、余計な手間をかけずに情報を整理できます。データとしてまとまっていることで、リファラル採用という活動全体の振り返りや改善にもつなげやすくなるでしょう。

まとめ:アルバイトのリファラル採用は導入価値あり

本記事では、アルバイトスタッフをリファラル採用することのメリット・デメリットや導入時の課題を紹介しました。デメリットや課題を踏まえたうえで適切に活用できれば、リファラル採用はアルバイトスタッフの確保に大いに役立つはずです。

統合型採用管理システム「ビズプラ採用管理 」では、以下のとおりリファラル採用に特化した機能を備えています。

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